帳票とは?伝票や帳簿、証憑とのちがい・種類・役割

経理の仕事をしていると「帳票」「伝票」「帳簿」などの言葉は毎日のように使われますが、それぞれの明確なちがいを理解している人は多くないかもしれません。
この記事では、帳票の種類や役割、伝票や帳簿、証憑などの用語とのちがいについてわかりやすく紹介します。

目次

1.帳票とは

帳票は帳簿や伝票など全体を指す

帳票、帳簿、証憑、伝票の関係を図で表すと上記のようになります。
「帳票」という言葉が帳簿の「帳」と伝票の「票」が組み合わさってできていることからもわかるように、帳票とは「帳簿や伝票、証憑をまとめた総称」と定義づけることができます。

2.帳票と伝票のちがい

(1)伝票とは

発生した取引は、仕訳帳にその都度記録する場合と、伝票に記録する場合とがあります。
取引日時、取引した物品、取引した量、取引金額など、お金にまつわる情報を記した書類が「伝票」です。
伝票に取引日や取引の証拠となる領収書や請求書の管理番号、取引先の名前、勘定項目、金額、取引内容(摘要)などの必要項目を記入することを「伝票に起こす」といいます。

(2)伝票の種類

伝票の種類としては以下の6つが挙げられます。

  • 仕訳伝票(仕訳帳の代わりに記録)
  • 入金伝票
  • 出金伝票
  • 振替伝票
  • 売上伝票
  • 仕入伝票

3.帳票と帳簿のちがい

(1)帳簿とは

現金取引、手形取引など、取引ごとの履歴を時系列で記録したものが「帳簿(会計帳簿)」です。
各伝票を時系列でまとめたもの、と考えるとわかりやすくなります。
帳簿には「主要簿」と「補助簿」の二種類があり、主要簿は仕訳帳や総勘定元帳、補助簿は補助元帳、補助記入元帳を指す言葉です。
なお、会社の業務形態に応じてさまざまな会計帳簿があります。

(2)帳簿の種類

特に経理の仕事に関わる主な会計帳簿としては以下が挙げられます。

  • 総勘定元帳
  • 補助元帳
  • 現金出納帳
  • 仕訳帳
  • 預金出納帳
  • 手形帳
  • 売掛帳
  • 買掛帳

4.帳票と証憑のちがい

(1)証憑とは

会計業務における「証憑」とは「取引が成立したという事実を証明する書類」を指します。
ここで言う”取引”は、商品の発注や受領といった会社同士のやりとりだけでなく、入金・出金や立替精算といった社内でのやりとりも含まれます。
証憑は「帳票のうちの1ジャンル」と考えるとスムーズです。
また、帳簿や伝票は自社で作成した書類ですが、証憑は「客観性のある証明書類」として、取引相手が作成した書類なども含まれます。

(2)証憑の種類

証憑は大きく4つの種類に分けられます。

売上関連の証憑
(契約書、請求書、領収書など)

「モノ」関連の証憑
(発注書や納品書、棚卸表など)

「ヒト」関連の証憑
(雇用契約書、給与明細、源泉徴収票、タイムカードなど)

その他契約関連の証憑
(会社の預金通帳、オフィスの賃貸借契約書、稟議書など)

証憑について詳しく紹介している記事もありますので、ぜひあわせてお読みください。

証憑とは?証憑書類の種類や保存期間をわかりやすくまとめました

おわりに

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